受験生が飼う二匹のオオカミ
今週、中3生と個人面談をしている。面談内容は、志望校の確認、家庭学習の様子、模試の分析、今後の勉強方法についてなど。そして最後に必ず勉強以外の事(例:親・兄弟・友達のこと)で抱えていることはないかを尋ねている。この個人面談では、ほぼすべての生徒が不安そうな顔で来て、終わったときには希望を持ち明るい顔になって部屋を出ていく。生徒達の心持ちの変化を目の当たりにすると、生徒達をなんとしても志望校へ合格させたいという想いが熱くなる。人が希望を持ったときの表情は、何ものにも代えがたい素晴らしいものである。
さて、ここで二匹のオオカミの話を紹介しよう。
老人 「人はみな二匹のオオカミを内側に飼っている。一匹は狡猾(こうかつ:ずるがしこいという意味)で臆病で嘘をつく。もう一匹は誠実で勇気があり正直だ。その二匹は常に戦っている」
子ども 「どちらのオオカミが勝つの?」
老人 「お前がより多く餌をやったほうだよ」
【走る哲学/著者:為末大】より抜粋
この時期は、中3生にとって高校入試までまだまだ時間がある。しかし日に日に焦る気持ちが募っていく。不安と焦りの板挟みに合い、身動きがとれなくなる。そして最後は、他人や他事のせいにし事態をさらに悪化させてしまう。毎年多くの受験生が陥る事態だ。しかし、誠実で勇気があるオオカミが、大きく成長すればこの事態も回避できる。受験生は受験勉強とメンタルトレーニングの両輪をまわしてこそ前へ進める。どちらのオオカミが勝つかは、自分次第である。
まなび研究所
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2012/11/08 Category | blog