浜松西高中等部の適性検査問題(平成30年度)を分析

平成30年度の浜松西高中等部の入試問題を解いてみました。

問題自体は今年も平易でしたね。
ただ、国語&記述の問題が42問中18問もあり、全体の42.8%も占めていました。配点の割合を求めるともっと高いですから、今回も合否の鍵は国語力だったことがわかります。
国語が得意な受験生にとっては、今年の試験問題がカンタンだったのではないでしょうか。
普段から本をよく読み、考える癖を持っているお子さんは有利だったと思います。
では、その他の特徴をあげていきましょう。

<問題数が減る>
難易度は低く、従来より問題数が若干減りました。最近は、最後まで試験問題文を読めない受験生が多いと聞いていますが、今年は最後まで読めた受験生が多かったのではないでしょうか。

<高校入試改革のトレンド問題を扱う>
「資料を読み取る問題」「条件整理問題」は出題されていますが、今年は複雑化してきました。これはもう高校入試改革のトレンド問題と同じです。ちなみに資料読取問題や条件整理問題は全体の25%も占めていました。

<用語を問う問題がさらに減る>
用語を問う問題がさらに少なくなってきました。もうほとんど見当たりません。これもトレンドです。

<国語読解問題と作文問題は難度高め>
今年の課題文章は読みにくい説明文。もっとも点差がつくところになったと思われます。作文課題は社会性が問われ、普段から社会を客観視できている子ならば高得点を取れたでしょう。

<合否の分かれ目はこの3つ>
・「Ⅱの問題2」は差がつく問題です。立体図形の展開図は苦手な小学生が多く、「すべて選びなさい」の問いは正答率が極端に低くなります。

・「Ⅳの問題8」も差がつく問題。古い冷蔵庫と新しい冷蔵庫を買い換えた場合と、修理した場合ではどちらが得になるか求める問題。条件を整理して考え、聞かれていることに間違えずに答えなければなりません。文章読解が苦手な小学生にとっては苦戦を強いられたことでしょう。

・今回の作文問題は課題文が難解。読書慣れしている小学生でなければ非常に読みにくい文章でした。また「あなたが実現したい社会」のテーマは書ける子と書けない子の差が大きくつくところです。作文配点の大きさを考えると、ここが合否の分かれ目の一つになるのは間違いないでしょう。

<来年受験を検討している方へ>
中学入試も試験問題が変わってきています。その傾向は高校入試と同様で、「文章を読み取る力」「資料を読み取る力」「記述力」「社会性」「自分の意見を書く」が求められています。これが今の入試問題のトレンド。今後はこの力がより一層求められることが予想されます。

そのためにも、読書量を増やす、新聞を読む、ニュースを家族で話題にする、自分の意見を述べることをご家庭で心がけていただきたいですね。

そもそも浜松西高中等部は進学校です。大学入試改革に対応できる学力をもった小学生に入学してもらいたいのだから、小学生のうちから大学入試を見据えた勉強が必要になってきます。受験をするのならば、今、日本の入試現場で何が求められているのか考える必要があります。

これからは従来の入試問題とは大きく異なりそうです。来年は過去問が通用しなくなるかもしれませんね。今、社会で求められている能力が問われるはずです。

いかがでしたか?
今年、受験した小学生も、来年受験する予定の小学生も参考にしていただければ幸いです。しかし、勉強するだけでは浜松西高中等部や静大附属浜松中のような難関中学入試は合格できません。他にも目を向けなければならないことがあります。それは何でしょうか?そんなお話を、今度開催するセミナーでお伝えします。詳細はホームページでお知らせしていますのでご覧ください。

まなびセミナー:中学受験をするなら 知っておくと安心7つのことhttps://www.manabikenkyusyo.com/?page_id=12234


2018/01/09 Category | blog 



« »