自分より弱い人を思いやる
まなび研究所では、藤原ていの傑作「流れる星は生きている『白い十字架』」を国語の授業でよく取り扱います。お父さんやお母さんも学生の頃にこの物語を読んで「希望を失わないで。日本へ帰るまで頑張りなさい」に、涙を流した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、この物語のテーマは何だろうかと考えたとき、私はこのように答えています。
自分より弱い人を思いやること
白い大きな十字架がかかった救世病院で働く若い医師が、ヂフテリヤにかかった子どものために高額な血清代を負担する場面があります。これこそが弱者の気持ちになり自分ができることをしてあげる行為。この行為を子ども達に伝えたいと思い本書を取り上げています。
勉強ができる子はたくさんいます。しかし、そこを目指すだけの子が多い気がします。大人がその先を示してあげたいですよね。勉強を人生に活かしてこそ、学ぶことが楽しくなり、興味を持つということを。
「自分より弱い人を思いやる」の精神をその子に宿らせてあげられれば、勉強したことが何倍も価値を持ちます。人生が豊かになっていきます。
本を読むことは読解力をつけるだけではありません。人の生き方や在り方を気づかせてくれる尊いものでもあります。出会う本でお子さんの人生はどのようにでも変われます。
先日、経営者の方へのレッスンで「白い十字架」を扱いました。初読でしたが、すぐにテーマを掴み、とても感動されていました。そしてご自身のビジネスの指針にする覚悟を決められていました。さすがですね。
良書は人を動かします。
2019/02/14 Category | blog