”万引き家族” で胸が熱くなりました。
どうもタイトルが解せなくて一歩引いていたのですが、娘が読んだのをきっかけに私も本書を開いてみました。
万引きや嘘で生計を立てる家族には常識を疑いますが、読み進めていくうちに、お金や仕事、学校の常識に縛られ、気づかないうちに自分のエゴ中心の社会で生きていたことに気づかされます。
仏教に”廻向(えこう)”という言葉があります。自分の行い(修行)を他者の為に差し向けること。
万引き家族のテーマは”廻向”です。
他者のために生きること。これが人としてどれほど美しい生き方かが読み取れます。
お金よりも廻向。資本主義経済がほころび始めてると巷では言われるようになってきました。その一端がこの本から垣間見えてきます。
映画監督が書き下ろした作品だけに余韻を残す終わり方がいいですね。一人になった時に、この続きをあれこれ考えてしまう自分がいます。
今度、娘と一緒にこの続きを話し合ってみようかなと思います。
2019/05/28 Category | blog