ネズミの親子から受験に合格する方法を学ぶ
今年1月の「本のレストラン(読売中高生新聞)」で紹介されていた一冊が気になって図書館で借りてみました。
住処を失うネズミの親子が新しい住処を探し目指す冒険物語。進むほどに新たな難題が立ちはだかり、親子で協力して決断し行動していく姿に勇気をもらいます。希望を失いそうになっても、家族の誰かが知恵を出し、声をかける。その度に家族は絆を深め、家族力が増していく。こうしてネズミの子どもたちは大人へと成長していく。まるで親子二人三脚で取り組む中学受験のようです。
中学受験は入試日までに、希望だけでなく、誘惑や葛藤、そして失望が付き纏います。それらとどのようにして向き合うかが問われます。ネズミの親子の決断と行動は、そのヒントにもなります。
協力することがどれだけ夢を叶えてくれるか。我が家はこれで大丈夫なのか、と家族の在り方を考えさせられます。
とても読みやすく、何から読んでいいかわからないお子さんにも向いていそう。読後感が清々しい一冊でした。お子さんへのプレゼントにもいいですね。
川の光
松浦寿輝/中央公論新社
2020/02/14 Category | blog