2021年度改訂、中学生の教科書から見える高校受験の傾向
残念ながら、2020年度の静岡県公立高校入試問題は、出題傾向にほとんど変化はありませんでした。他府県で出題されているような新しい傾向、すなわち読解力や意見、社会の課題を解決するアイデアを問うような問題は皆無です。こうなると静岡の高校に進学した子たちの大学受験に向けた勉強が心配です。
大学受験が新しい傾向へと変化の歩みを早めている昨今です。他府県は変化のうねりに合わせて動いています。だから、過去問や類似問題を大量にこなして点数が取れてしまう静岡の出題傾向に不安を抱かずにはいられません。
さて、3/25付の朝日新聞に掲載された「2021年度から中学校で使う教科書」の記事を読みました。ここで紹介されていた社会科公民の内容に驚かされます。
赤字バス路線に税金を使うべきか、市長の立場になって生徒同士でディスカッションする
ディスカッションするために次の資料を用い、解決策を考えます。
・市の人口推移グラフ
・市の歳出状況グラフ
・バス利用者数、売り上げや運行費用の表
・意見が対立する各地区の住民の声
建設的な意見が求められます。まるで難関大学や医大入試の二次試験ですね。ですが、まなび研究所の中学生は「新国語」の授業で取り上げているディスカッションとなんら変わりません。資料やグラフの読み取りが、学校の授業で行われるようになれば、高校入試の出題にも変化がおいるかもしれません。
2020度から一年早く改訂が行われる小学生の教科書も、大きく変革されています。小4算数ですらその変わりようは大きく、これもまた驚かれると思います。
<小4算数>
会社の売り上げを前年と今年で比較する問題
これまでの算数では「テストの点数」のような学校や身の回りでで起きている事柄が題材となりましたが、これからの算数では「会社の売り上げ」のようなビジネス現場の言葉が出てきます。これが何を意味しているのか?「算数と現実」、もっと深読みして「算数と稼ぐ力」まで掘り下げてもいいでしょう。現代を生きていく力を育む教育へと変わります。
2021年度から変わる中学生の教科書にとても期待しています。実社会に合った教育がやっと始まりそうです。地域の将来を担う子どもたちのために、静岡の高校入試の出題傾向が変わることを切に願います。
2020/03/26 Category | blog