算数はできるけど、国語ができないキミへ(国語はできるけど、算数ができないあなたへ)
算数では天才的な能力を発揮して、計算でも文章題でも図形でもなんでも素早く問題を解いてしまう。その一方、国語になるとまるで反対。漢字を覚えるのは嫌々だし、問題演習が遅々として進まない。作文を書かせたら、最初の一文字がなかなか書けない、または、何を言いたいのかわからない文章を書いてしまう。
このようなお子さんに国語の問題集を解かせても国語ができるようにはならないし、思いとは逆作用し国語をもっと嫌いになるだけ。
また、「国語は得意だけど、算数がダメ」のパターンも同様です。問題集を解いても算数が嫌いになるだけです。
そもそも算数と国語に大きな学力差が生じてしまうのは、どうしてだと思いますか?
それは
思考癖が偏っているからです。
算数=抽象的概念(簡潔に)
国語=具体的概念(細かく)
このように教科による「求められる概念」が異なるため、抽象的な思考が得意なお子さんは、算数を簡単に解いてしまいます。しかし抽象的思考のままで国語問題を解くと、簡潔に書きすぎたり、記述解答が抽象的すぎて、問われていることから外れたりします。
算数は抽象度を上げて簡潔に思考することが求められる勉強です。割合や比、図形はその代表例ですね(数学は算数より抽象度が高くなる)。しかし国語は違います。こちらが表現したいことや伝えたい気持ちを相手に理解してもらうためにはどのように伝えればいいのか、具体性を高めること求められる勉強です。算数と国語の関係は言うなれば真逆の関係。ここを把握できていないと、せっかくの勉強が徒労に終わってしまいます。
算数 ⇄ 国語
抽象 ⇄ 具体
両者は「勉強のねらい」である根本が異なるのだから、どちらか一方の思考だけでもう一方の勉強をしてもできるようになりません。両方の思考ができるようにしたいですね。
両方の思考ができるようになるには、その子が抽象的思考と具体的思考のどちらかに偏っているのか把握するところから始めるといいでしょう。まずは自分の特徴を知るべきです。
そこで、どちらの思考をしているのか、すぐにわかる方法があるので紹介しますね。
相手の話に対して「えっ、なんだって?」ともう一度聞き返してみてください。そのときの相手の反応でわかります。具体的には、抽象的思考が強い人は簡潔に言い直そうとします。具体的思考が強い人は、より一層細かく具体的な説明をしようとします。
お子さんの癖(バイアス)が把握できたら、次にこの偏りを小さくするトレーニングを積めば、事態は改善されていきます。
日常会話を通じて抽象化⇄具体化を行き来するトレーニングが良いでしょう。
例えば、魚⇄鯖、秋刀魚、鯛
これは初歩中の初歩ですが、目指すはここです。
巷で話題の本「夢をかなえるゾウ0(ゼロ)ガネーシャと夢を食べるバク」に登場する新キャラ「バク」です。彼は、言葉で抽象と具体を行き来できる天才です。会話のセンターピンを瞬時に読解し、別の表現で言い換えてみせるスゴ技の持ち主。
相手の話(具体)→ 抽象化 → 自分の話(具体)
きっとバクは算数も国語もできるのでしょうね。バクをモデルにして日常会話からトレーニングを積んでみるのもいいかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
抽象も具体もどちらの思考が良いというわけではありません。相手や場所に応じて臨機応変に抽象と具体を使い分けられるようになるのが理想です。
まなび研究所では抽象と具体のトレーニングを行なっています。お困りの方はご相談ください。
2022/08/19 Category | blog