本を読むことの大切さを子供にどう伝えたらいいですか?
読書の習慣づけに悩むご家庭からよく相談を受けます。「うちの子は本を読みたがらないんです」「スマホゲームばかりで…」という声をよく耳にします。
25年以上にわたり多くの受験生と向き合ってきた中で、私が確信していることがあります。それは、読書習慣のある子どもは、学力面でも精神面でも大きな強みを持っているということです。
ではどうすれば、子どもに本の素晴らしさを伝えられるのでしょうか。
先日、ある保護者の方から印象的な話を伺いました。中学受験を控えたお子さんが、なかなか本を手に取ろうとしないことを心配されていました。ところが、お母様が寝る前の10分間だけ「一緒に本を読む時間」を作ったところ、徐々に変化が表れ始めたそうです。
最初は渋々だったお子さんが、ある日「ねぇ、この主人公の気持ち、どう思う?」と自分から話しかけてきたそうです。それをきっかけに、本の感想を語り合うのが親子の楽しみになったとのこと。今では休日に「図書館に行こう」と誘ってくるまでになったそうです。
この事例から学べることがいくつかあります:
まず、読書を「勉強」や「義務」にしないことです。子どもの興味に寄り添い、一緒に楽しむ姿勢が大切です。
次に、継続できる「仕組み」を作ることです。寝る前の10分など、無理のない形で習慣化できる工夫が効果的です。
そして最も重要なのは、親子のコミュニケーションツールとして本を活用することです。内容について語り合うことで、子どもは「本を読む」という行為に新しい意味を見出していきます。
実は、浜松西高中等部や静大附属浜松中の入試でも、読書体験を問う問題が出題されることがあります。しかし、そのための「受験対策としての読書」は逆効果です。
私たちまなび研究所が大切にしているのは、「自分で考える力」の育成です。読書は、その力を育むための最高の教材となります。登場人物の心情を想像したり、物語の展開を予測したりする中で、子どもたちの思考力は自然と育まれていきます。
ある卒業生が最近、こんな言葉を残してくれました。
「古橋先生、受験勉強の時期に読んでいた本が、今でも心の支えになっています」
この言葉こそ、読書の本質的な価値を表しているのではないでしょうか。本は単なる知識の源ではありません。子どもたちの心を育て、生きる力を養う、かけがえのない友達なのです。
まずは今日から、お子さんと「本」について語り合ってみませんか?その小さな一歩が、きっと大きな変化につながっていくはずです。
2024/12/02 Category | blog
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