中学受験生の読解力を育てるヒント ~令和7年度 浜松西高中等部の作文問題から考える~
「やりたいことが見つからない君へ」という本をご存知でしょうか。今年の浜松西高中等部の入試で取り上げられた一冊です。ビリギャルの坪田先生が若者たちへ贈る、自己理解と成長についてのメッセージが込められた本ですが、この選書には深い意味があるように感じます。
作文の問いは、「論理的に考えて信じたこと」がテーマでした。ここで少し立ち止まって考えてみましょう。私たち大人でさえ、日々の判断や決断を感情や思い込みで行うことが少なくありません。まして中学受験を控えたお子さんたちにとって、「論理的に考える」というのは、どれほど難しい課題だったことでしょう。
でも、この「論理的に考える」という視点は、実は私たち大人がお子さんに伝えていくべき大切な考え方かもしれません。例えば、お子さんが「この問題、絶対できない」と言ったとき、なぜそう思うのか、理由を一緒に考えてみる。「できない」という感情の奥にある論理を探っていく。そんな対話を重ねることで、お子さんは自然と論理的な思考を身につけていくのではないでしょうか。
今回の作文問題は二段落構成という新しい形式でしたが、これも意味のある変更だったと考えられます。三段落より少ない文字数で自分の考えを伝えるには、より論理的で簡潔な文章力が必要になるからです。
この入試問題から、私たち大人も学べることがありそうです。お子さんと接するとき、「なぜそう思うの?」「どうしてそう考えたの?」と、優しく問いかけてみませんか。その一つ一つの対話が、お子さんの論理的思考力を育む貴重な機会となるかもしれません。
次回は、令和7年度の浜松西高中等部 適性検査問題について検証してみたいと思います。どうぞお楽しみに!
2025/01/14 Category | blog