令和7年度 浜松西高中等部、静大附属浜松中 中学入試の合格発表を迎えて

長かった受験期間が終わり、今日はついに合否の結果が届きました。お子さんの表情を見つめながら、この瞬間をどのような気持ちで過ごされているでしょうか。

合格された皆さんへ

本当におめでとうございます。毎日の学習に真摯に向き合い、時には投げ出したくなる気持ちと戦いながら、ここまで歩んでこられました。お子さんの瞳に輝く達成感と誇らしさを、きっと皆様も感じていらっしゃることでしょう。

この喜びの日に、少し立ち止まって振り返ってみませんか。朝早くから机に向かうお子さんの後ろ姿、学習に行き詰まった時の不安な表情、そして少しずつ成長していく様子…。すべての時間が、かけがえのない思い出となっていきます。

合格は確かに大きな区切りですが、お子さんの人生の物語はここからまた新しいページが始まります。新しい環境での期待と不安、出会いと発見。これからも一緒に成長を見守っていきましょう。

合格に至らなかった皆さんへ

今、お子さんの心の中には大きな失望感があふれているかもしれません。どんな言葉をかけたらよいのか、親としても戸惑われているのではないでしょうか。

でも、ここで思い出していただきたいことがあります。毎日コツコツと問題に取り組んだ時間、わからないところを粘り強く考えた姿勢、そして目標に向かって一歩一歩前進してきた勇気。これらは決して無駄にはなりません。

むしろ、この経験を通してお子さんは大切なことを学んでいます。目標に向かって努力することの意味、困難に立ち向かう強さ、そして何より、常に寄り添い支えてくれる家族の存在の大切さを。

今は一緒に悔しさを分かち合い、ゆっくりと次の一歩を考えていきましょう。お子さんの人生には、まだまだ素晴らしい可能性が広がっています。

この時期に読んでいただきたい本

このような時期だからこそ、お子さんと一緒に心に響く本を読んでみませんか。今回は特に3冊の本をご紹介させていただきます。

『14歳からの哲学 – 考えるための教科書』(池田晶子著)は、合否に関わらず「自分とは何か」「幸せとは何か」という本質的な問いについて、お子さんと一緒に考えるきっかけを与えてくれます。受験という一つの結果に囚われがちな今だからこそ、人生の大きな視点から自分を見つめ直すヒントが詰まっています。私も好きな一冊です。

『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著)では、主人公のコペル君の成長物語を通じて、努力や挫折、周りの人々との関係性について深く考えることができます。特に合格に至らなかったお子さんには、この経験が貴重な学びの機会となることを、また合格されたお子さんには、これからの新生活で大切にしたい価値観を教えてくれます。今こそ読みたい一冊ですね。

『なんのために学ぶのか』(池上彰著)は、「試験の点数だけが学びではない」という視点から、池上彰は受験後こそが本当の学びの始まりだとわかりやすく説いてくれます。「知識は力であり、教養は武器になる」という言葉には、受験知識を実社会での学びにつなげていく大切さが込められています。学ぶことに遅すぎることはなく、すべての経験が財産になるのです。この本との出会いが、次のステージへの準備や、今回の経験の意味を見出すきっかけとなるでしょう。

すべての受験生とご家族の皆さんへ

受験は確かに大きな節目ですが、人生という長い旅路の中では、ほんの一つの経験に過ぎません。この経験を通して得た学びと成長を、これからの道のりの糧としていってください。

お子さんの未来は、まだまだ無限の可能性に満ちています。これからも温かく見守りながら、共に歩んでいきましょう。


2025/01/22 Category | blog 



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