リスクを取らない子と挑戦する子
将棋界の第一人者である羽生善治さんの言葉に、次のようなものがあります。
「リスクテイクをためらったり怖がったりしていると、ちょっとずつですが、確実に弱くなっていってしまう。」
将棋に限らず、私たちの生活や子どもたちの成長にも当てはまる言葉ではないでしょうか。
小6受験生や中学生を指導していると、新しいことに挑戦するのをためらう場面によく出会います。難しい問題に取り組むのを避けたり、自信がないからと発言を控えたりする姿は、決して珍しくありません。
しかし、考えてみてください。
私たちは誰しも、最初から何かができたわけではありません。歩くことも、話すことも、文字を書くことも、すべて小さな挑戦の積み重ねでした。
先日、ある生徒が算数の難問に取り組んでいました。
最初は「わからない」と言って投げ出しそうになりましたが、「間違えてもいいから、自分なりの考えを書いてみよう」と声をかけると、少しずつノートに書き始めました。結果として完璧な解答には至りませんでしたが、その過程で新しい考え方を学び、「次は別の方法で解いてみたい」という前向きな姿勢が生まれました。
失敗を恐れないことは、自分の限界を広げていくことにつながります。
これは、子どもたちだけでなく、私たち大人にも当てはまることではないでしょうか。 「失敗させたくない」と過度に心配し、子どもたちの挑戦の機会を奪っていないでしょうか。
大切なのは、小さなことでもいいから、間違ってもいいから、自分でやらせてみることです。失敗を重ねるほど、失敗を恐れなくなります。そして、「間違えたなら、次は違う方法でやってみよう」と前向きに考えられるようになります。
羽生さんの言葉は、私たちに「守りに入ることの危うさ」を教えてくれています。
成長には不安や困難がつきものですが、その一歩を踏み出す勇気こそが、未来を切り拓く力になるのです。だからこそ、子どもたちの「挑戦したい」という気持ちを大切に育てていきたいと思いませんか。
2025/01/29 Category | blog
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