「1ランク上」が見えるとき、世界は広がる
中学2年生の女の子と話していると、ふと「1ランク上の自分になりたいんです」という言葉が出てきました。その子は、静かな声で、でも芯の通った目でそう言いました。おとなしい性格なのに、姿勢は真っすぐ。絵画が好きで、美術の時間が大好きなのだそうです。
「1ランク上」とは何か。彼女にとっては、今の自分を超える何かを求める気持ち。それは成績だけではなく、もっと深い部分、内面から湧き出る向上心のようでした。
芸術を愛する感性と、自分を高めたいという意思。この二つが融合すると、素晴らしい成長が期待できます。絵画を見るとき、私たちは単なる色や形だけではなく、描かれた世界観や作者の思いを感じ取ります。それと同じように、勉強も表面的な知識の獲得ではなく、その先にある世界の広がりを感じ取れるようになると、学ぶことの喜びが変わってくるのです。
「今、学んでいることにも意味はある。でも、その意味がもっと深くわかるのは、学んだ先にある世界に出会ったときだ。」これは私がよく口にする言葉です。以前、美術展に行った中学生の女の子が、こんなことを話してくれました。彼女は、ある絵の前で立ち止まり「この絵、最初は何が描かれているか分からなかったんです。でも、少し離れて見上げてみたら、全体像が見えてきて…」と。勉強も同じです。目の前だけを見つめるのではなく、時には顔を上げて、その先にある広い世界を見る。そうすると、今やっていることの意味が見えてくるものなのです。
1ランク上の自分を目指すことは、決して無理をすることではありません。日々の小さな積み重ねが、やがて大きな変化をもたらします。例えば、毎日15分だけでも、好きな絵画について調べる時間を作る。その絵を描いた画家は何を考えていたのか、どんな時代背景があったのか。そういった「問い」を立てながら学ぶと、知識はつながり、深まっていきます。
また、自分の考えをノートに書き留める習慣もおすすめです。上手な文章である必要はありません。感じたことをそのまま書き留めるだけで、思考は整理され、次第に自分の言葉で表現する力が育ちます。
成績が上がることも大切ですが、それ以上に大切なのは、学ぶことの本質を理解することです。「なぜこれを学ぶのか」「これは自分の中でどんな意味を持つのか」と考える習慣がつくと、勉強は単なる義務から、自分自身を広げる喜びに変わります。
静かだけれど芯のある彼女には、この先、いろいろな可能性があります。絵画への愛を深めながら、視野を広げ、自分の言葉で考えを表現できる人になっていく。そんな姿が目に浮かびます。将来の活躍が楽しみでなりません。
1ランク上の自分は、突然現れるものではありません。日々の小さな気づきや発見の積み重ねが、いつの間にか新しい自分を作り上げていくのです。顔を上げて空を見るように、時には遠くを見つめながら、自分のペースで一歩一歩進んでいったとき、気づけば1ランク上の自分になれているのではないでしょうか。
2025/03/27 Category | blog