後編:文系派に有利 平成27年度静岡県公立高校入試

 後編》

前回のつづき

 全体的に見ると、今年の高校入試は文章量が増えた印象を受けました。ゆえに限られた時間内で問題を読むための「スピーディーな読解力」が求められました。これが高校入試で高得点を取るための必須条件になったと思います。これは全国的なトレンドでもありますから、普段から読むことになれていたいですね。
 また、合格ラインを意識すると、難関校ほど文系科目が得意な生徒に有利に働いた高校入試だったと言えます。答えやすかった「英語」と「社会」に、得意、不得意の差がつきやすい出題傾向となった「国語」とくれば、文系派の生徒は5科目中、3科目が得点源になりますから合計点を上げやすく有利です。そもそも公立入試では、難関校ほど「英語」と「社会」を得意とし、得点源にする受験生が多いですから、国語で点数をばっちり取れたとなると優位に立てます。しかしその逆の立場になると、高い合計点をマークしにくくなり、不本意な結果に泣くことになります。

 今後の入試対策の大きな武器となるのは「思考法」です。「なぜ、そうなるのか?」「別の見方をしたら、どうなるのか?」「これとそれを比べると、何がわかるのか?」これを基本ベースにして、受験勉強をしていけば、どんどん頭脳は鍛えられ、変化してきた今の高校入試にも対応できるようになります。
 用語や解法を頭にコピーする従来の受験対策は終焉を迎えつつあります(これではこの先苦労しますからね)。それでは、どうしたらいいか。帰納法(きのうほう)や演繹法(えんえきほう)といった基本的な思考法を使いこなせるようにしたり、哲学的な思考法をもったりして、深く考える癖を身につけていきたいです。そして、これができる生徒こそ、大学や社会が求める人材になり、生きていくための糧にもなるからです。

 これから高校入試に挑む中学生は、考える癖づけをしながら受験勉強に励みたいです。新しいタイプの受験問題を解くのがきっと楽しくなります。


2015/03/12 Category | blog 



« »