新たなコーヒー・ライフがはじまる
私はコーヒーが大好きである。そのコーヒーをもっと美味しく飲もうと家内と話し合い、今回カップ&ソーサーを新調した。この購入までに約一ヶ月間かけた甲斐があり、満足のいくものを手にすることができ、新たなコーヒー生活を楽しんでいる。
江戸時代に贅沢を禁止する法令がだされたときがあった。それは庶民の着物にまでおよび、生活を制限。派手な色の着物を身にまとうことが禁じられ、許された色は三色だけ。灰色、茶色、御納戸色(おなんどいろ:濃い紺色のこと)。これではどうにも暗ぼったい。しかし、オシャレを楽しみたい人たちはどの時代でもいるものであり、そんな粋な人たちは、表向きはお上のお触れにさわらぬよう装い、素材や裏地に個性を楽しんだという。
この度新調したカップ&ソーサーは「信楽焼」だ。信楽焼は茶色や灰色などの暗ぼったい色が多く、一見すると野暮ったい。しかし、カップを手に取り間近で見ると、この見方が一変する。そこにはメタリックがかったデザインがあり、ハッとさせられる美しさに気づく。これぞ日本の伝統美。これがなんとも奥ゆかしく、私の心を掴んだ。このことが前途した江戸時代の粋な人たちの生活を連想させたのであった。
いい機会だったので、信楽焼を調べてみた。すると、この独特のデザインは「信楽焼」の特長ではあったが、江戸時代に作られたものではなかったことが判明。予想が外れて残念ではあったが、もしかしたら時代は違えど、隠れたお洒落を楽しむためという理由は同じだったかもしれないと自分のなかで思いを巡らせてみた。
さて、信楽焼のカップで飲むコーヒーの味がどんなものだったか。
カップを替えただけで、同じコーヒーがこんなにも変わるものか。美味しさ1.5倍!中身は変わっていないのに不思議なものである。ここでも心を掴まれた。
最近、日中の日差しが少し春めいてきたように感じる。季節の変わり目に、皆さんもカップを新調してはいかがだろうか。きっと新たな生活が始まるとおもいます。
2012/02/22 Category | blog