ゆきだるまがおしえてくれたこと

 人は常に誰かの好意によって支えられている。誰かの温かな対応によって、また頑張っていこうという意欲が湧いてくる。
 先日、ネットオークションであるものを購入した。届けられた荷物の梱包を解くと、化粧箱に「ゆきだるま」が揺れていた。手編みであろうそのゆきだるまは、赤いマフラーをつけたかわいい姿。愛らしいその様子を見た途端に「ホッ」と心優しい気持ちになれてしまい、しばらく手に取ってしまった。
 相手の顔が見えないネット上の取引で求められることの一つに「正確な応対」がある。これがありさえすれば「優しさ」などなくても事が成り立つ。そんな世界を半ば当たり前と思っていた自分に、このゆきだるまは「優しさが人の気持ちを良くしてくれる」ことを思い出させてくれた。もっと言ってしまえば「人間の素晴らしさ」をおしえてもらえたのだと思う。
 この嬉しさを先方に伝えたところ、すぐ返信をもらえ、反対に感謝されてしまった。どこまでも素敵な人である。私も他人を喜ばせるような人になりたい。顔が見えない場こそなおのことである。
優しさに触れ合う機会が日に日に減っていると感じられる世の中で、非常に私の胸を打つ出来事になった。

2012/01/17 Category | blog 



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